2007年12月12日

渋谷駅地下の野宿者追い出しに抗議の声を!!

以下、のじれんホームページ(のじれんアップデート)より転載です。
 12月2日夜、東京・渋谷駅地下において、約50名の野宿者が突然、東急電鉄の警備員によって追い出されました。「地下鉄開通」、「テロ対策」を理由に強行された今回の追い出しは、何の当事者への告知も話し合いもなく、また「ホームレス特別措置法」11条にある「公共施設の適正化」の際の「施策との連携」すら取っていない強制的なものでした。厳寒の冬、わずかな時間ながら暖のとれる数少ない寝場所を奪うことはまさに殺人行為と言えます。
 東急電鉄による野宿者強制的追い出しに対して、下記の抗議声明への賛同と東急電鉄への抗議行動を呼びかけます。年末の忙しい中、緊急なことで申し訳ありませんが、ともに抗議の声をあげていただければと切に願います。

抗議声明


 2007年12月2日、東京・渋谷駅で約50名の野宿者が突然、巡回してきた警備員によって締め出されました。この厳寒期に野宿者を路上に追い出すことは、生命を維持する必須条件である睡眠をいちじるしく損ない、凍死などの命の危険に直結する「殺人」にも等しい行為です。私たちは野宿者の生命と生存権を守る立場から、強く抗議するとともに、一刻も早くこの追い出しをやめるよう求めます。

<追い出しの経過>

 東急田園都市線・渋谷駅地下通路では、7、8年ほど前から毎晩10時〜12時の2時間と、朝4時40分〜7時までの間、約50名の野宿者が横になって身体を休めています。そして、朝5時には教会からボランティア数名が1年365日構内に来て、おにぎりを配っていました。
 厳寒期に貴重なあたたかい場所として、高齢の野宿者も休んでいました。「あたたかい地下通路に入ると、気持ちがホッとして楽になる」、「たとえ1時間でも外の3時間分より身体が休まる」と、ここで寝ている野宿者は話していました。
 ところが、12月2日の夜22時に野宿者が地下通路に入ろうとしたところ、巡回してきた警備員が「この場所は掃除を行うため寝られない」と言ってきました。それならば、と、いったん引いて、翌朝ふたたび入ろうとしてみると、もう掃除は終わっているのに執拗に警備員がやってきて「ここは寝る場所ではない」と言い、「寝た場合は警察に通報する」という紙を見せられたとのことです。実際に渋谷署の警察官が警備員に同行し、教会のおにぎり配りも、警察官が「公園などの別の場所でやるように」と説明し、他の場所に移動させたとのことです。当日まで何の通告もなしの突然の事態に、今まで駅地下で寝ていた50名ほどの野宿者は散らされてしまいました。

<突然の追い出し。その理由は・・>

 早速12月3日、管理している会社に問い合わせたところ、12月2日から管轄が東京地下鉄株式会社から、東京急行電鉄株式会社(以下、東急)に代わり、それにともない警備会社も代わったということでした。
 東急サービス課(警備業務も管轄)の担当者は、「毎日、機械で掃除をするので今後その場所には寝られない」と説明しました。しかし、私たちが清掃状況を確認するため、3日22時に地下通路に行ってみると、清掃員3人がほうきを持って掃きもせず、ただ歩いているだけです。掃除の区域だけ少し移動すれば、掃除に支障があるような状況ではありませんでした。
 また、警備会社を特定しようと私たちが田園都市線渋谷駅をたずねたところ、株式会社東急レールウェイサービスほか数社あることがわかりました。対応した東急レールウェイサービスの助役2名は「地下通路では、08年6月に新しく副都心線が開通になる。そのために立ち退きをお願いしている。強制撤去ではない。」と話しました。なぜ命の危険がある厳寒期に追い出す必要があるのか、理由をたずねると、「警視庁や渋谷署と連携し、テロ対策のために行っている。テロ対策にあたり地下通路に人が寝ているのは想定外」と述べ、野宿者をあからさまに邪魔者扱いしました。そして、清掃のための一時的な追い出しではなく、警備員を使っての追い出しを今後も続ける姿勢を示しました。

<今回の追い出しの問題点>

(1) 7、8年前から恒常的に野宿者の寝場所(休息場所)として機能していた。
 駅地下通路は、終電前と始発後の数時間ですが、雨や風などの天候に左右されずに身体を休める場所として機能していました。夏場は20名前後、厳寒期は50名前後の野宿者の生活を支える不可欠な場所でした。野宿者もこの場所を大切にし、ダンボールなどをなるべくコンパクトにかこったり、床を汚さないようにするなどキレイに使う努力をしていました。

(2) なぜ厳寒期に追い出しを行う必要があるのでしょうか。
 厳寒期の特に深夜・早朝は気温が低く、路上で熟睡することはまず不可能です。昼間も身体を横たえて寝る場所がほとんどないことから、睡眠時間をいちじるしく損ない、命を落とす危険性があります。厳寒期の地下通路は生命維持のための緊急避難場所でもあります。それほど重要な休息場所にもかかわらず、「毎日掃除する」や「テロ対策」などの漠然とした理由のみで、「掃除区域から少しずれて寝られるようにする」などの極力野宿者の生命や人権を尊重した対策を講じようとしていません。また追い出し当日まで野宿者との話し合いはなく、通告すら一切しないという強制的なやり方です。

(3) そもそも追い出された野宿者は、行政が行う福祉政策から排除され、駅舎での休息を余儀なくされていた野宿者です。
 追い出された野宿者は、本来、憲法25条で保障されている生存権を認められない状況で路上生活を余儀なくされていました。各福祉事務所では、職員が相談者に「まだ働ける」「家がない」などの理由をつけて、生活保護の申請をさせずに窓口で門前払いします。(本来は違法な運用です。)また、集団生活の施設で就職活動を行う自立支援センター(原則2ヶ月、最長4ヶ月)では、仕事が見つからなかった場合の生活保障が不十分で、しかも1回センターを利用すれば、2回目は利用することができません。そして、東京都の行う低家賃アパート事業(2年間限定)では、テント小屋を持たない野宿者は対象外として、差別的に排除されました。
 また、テント小屋は野宿者にとって生命を維持し生活をしていく大切な場所ですが、公園などの公共地では「新規テント流入防止策」として警備員の巡回を強化し、新しくテントをつくることはできません。
 そうした福祉政策からの排除や新規テント防止策が強まる中で、駅舎に数時間でも身体を横たえ休息をとらざるをえなかったのです。

(4) 「テロ対策」の名の下での野宿者に対する排除・抑圧を許すことはできません。
 新自由主義政策で国は生存権の責任を事実上放棄し、個人の自己責任、自助努力へすり替えを行ってきました。その結果、大多数の人々が「野宿になったのは自己責任」と感じる風潮がつくりだされています。実際には福祉の削減、生活を不安定にする就労形態の蔓延などから、努力では抜け出せない貧困や生きづらさを感じている人々がたくさんいます。派遣や日雇い労働を経てネットカフェや漫画喫茶で寝泊りする若者や新たに野宿へと追い込まれる人も後を絶ちません。そういった貧困が顕在化することをさけるため、「テロ対策」をタテに野宿者を排除・抑圧することなど許されません。

 以上から、私たちは東急電鉄株式会社に対して、今回の野宿者への強制的な追い出しに厳重に抗議するとともに、最大限野宿者の生命や人権を尊重して今まで通り地下通路で休息できるようにすることを求めます。


のじれん(渋谷・野宿者の生活と居住権をかちとる自由連合)
全都実(対都行動を闘う全都野宿労働者実行委員会)
posted by 全都実 at 11:30| 強制排除 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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