==江東区土木部は排除通告の「お知らせ」を撤回しろ!==
何十名もの仲間が暮らす江東区竪川河川敷公園では、今年の冬以来、江東区土木部が「お知らせ」なるビラで一方的に立ち退きを迫る一方、8月末から突然、地域生活以降支援事業が開始された。まさに排除と施策がセットで進もうとしているこの地で、仲間たちが声を挙げ始めて2ヶ月。全都各地の仲間と共に、話し合いを求め江東区に押しかけるのも今日で4度目だ。交渉拒否や約束反故…江東区にはこれまで何度裏切られてきたことか。しかし今日、ようやく念願の話し合いが実現した。(これまでの経緯については
この日配った情宣ビラで)
いつものように江東区役所前での情宣を行った後、竪川河川敷公園で暮らす仲間たちは、応援に駆けつけてくれた各地の仲間の「頑張れよ!」との力強い声援に見送られ、いざ話し合いの席へ。江東区土木部からは水辺と緑の課の課長ほか3名、そして道路課長が出席した。
こちらからの要求は簡潔。昨年冬以来、ビラ1枚で自主的に退去しろと迫ってきたが、これを撤回して欲しいということだ。それに対して担当の水辺と緑の課長はのらりくらり。。。
「現在はアパート事業の推移を見守っている状況だ。」と繰り返す土木に対して、「じゃあ残った人はどうするんだ!?」「残った人を強制排除するのか!?」とその場にいた全員が声を挙げた。
3000円のアパート事業は多くの仲間が知ってのとおり多くの問題を抱えており、必ずしも全員が利用するとは限らない。(このことは9月6日保護課の職員も私たちの前で認めた。)しかも小屋を持たない仲間は始めから対象外にされているので路上を去りようがない。竪川の小屋に残る人、これから竪川に小屋を建てたい人は少なからずいるだろう。その人たちに追い出しを行うのか、という話だ。現にその場にいた仲間からも「俺は残るぞ!」と次々と声が挙がる。
どんなに問いつめても「それは福祉の責任ですから…」「それは保護課が…」とラチが明かない課長に仲間たちもさらに強く訴えかけた。
「仕事さえあればアパートでもどこでも行くよ。でもないじゃないか!アパートでどうやってメシを食うんだ!」
「我々は工事を邪魔するとは言ってない。でも出て行けというのは困る。仕事もない。年齢や住所で皆はねられる。自分も缶拾いをやりながら仕事を探すけど皆いい顔しない。あんた、自分の痛みはわかっても我々の痛みがわかってないんじゃないのか。我々にも生きる権利があるんだから、もうちょっと色のついた返事をちょうだいよ。課長の話はさっきから同じところをウロウロしているだけで全然前に進んでない。」
「事業が終わる12月の寒い頃に追い出されたらどうする!?」
「アルミ缶集めなんか時給にしたら50円やそこらだ。それでも自力で暮らしてるんだ。」
「工事に反対しているわけじゃない。でももうどこにも小屋が張れるところがない。まさか道路に立ってろと言うのか。小屋がなければアルミ缶もやれないじゃないか。」
「はっきり言って私はアパートに入る。だけど皆今まで一緒に暮らしてきた仲間だから。残った人をどうするのか、はっきりして下さいよ。」
「我々をバラバラにしたいのか。」
「人権無視だ。公園に住んだらいけないからお前たちは人間じゃない、と思ってるのか。10年もいて今頃出て行けなんて。我々には生きる権利がある。」
「以前、小屋のない仲間が路上で高校生に殺された。『ホームレスなら殺してもいいと思った』って。小屋は命の砦だよ。あなたたちは家に住んで夏は冷房、冬は暖房の効くところで守られてる。皆、好きでいるわけじゃない。3月にビラを撒かれて移り住むところを探したんだ。でももうどこにもないんだ。」
「事業の推移を見ながらなんて、そういうことじゃない。大きな声で『排除はしません』と言えばいい。そうすることで後々あなたの名は残る。そうしなさい。我々も真摯な話し合いをしているわけだから」…etc
日頃、温和で穏やかな竪川の仲間たち。この日は実に凛としてたくましく力強く感じられた。
その成果か、最終的には課長に「現時点では強制排除は考えていない」という言葉を得ることができた。また課長は、工事について協議する可能性についても示唆した。
ひとまずまた一歩前進。しかし「現時点では」という但し書きはやはり気にかかる。今後も全都の仲間と、そして心を寄せるすべての人々と共に、この闘いを進めていきたい。
当日配布されたビラを読む